馬は身近な哺乳動物で、テレビや動物園、牧場で見かけることが多いですね。
本記事では、馬の寿命に関する情報、特に野生の馬、動物園や牧場で飼育される馬、競走馬やサラブレッドの寿命を比較し、また、馬の寿命に関する最高記録やギネス記録についても掘り下げます。
野生馬の寿命の実態は?
平均寿命:約10年
野生で生活する馬の寿命は18~20年程度ですが、平均すると約10年で自然な終わりを迎えることが多いです。
野生馬は主にアジアやアフリカのサバンナと草原に生息し、捕食者が多い環境にあります。馬は怪我をするとその構造上、回復が困難であり、しばしば早期に命を落とすことがあります。
日本に自生する野生馬はほとんどおらず、見られる馬は多くが外国原産の馬と交配されたものです。
本来の日本の馬は小さめで、宮崎県串間市の都井岬に見られる馬がその例です。これらは体長約130cm、体重300kgの小型の馬です。
動物園や牧場での馬の寿命はどれくらい?
それでは動物園や牧場で飼育されている馬の寿命はどうでしょう?
平均寿命:27~28年
飼育下では、馬は一般に25~30年の間生きるとされ、平均的な寿命は27~28年です。
飼育下の馬は比較的長生きしますが、怪我や事故が命を縮める原因となり得ます。馬は大部分の時間を立って過ごすため、ケガは特に深刻で、しばしば安楽死が選択されることもあります。
競走馬・サラブレッドの選手生涯:活躍する年齢は?
競走馬やサラブレッドがどれくらいの年齢まで競走に参加するのか、また彼らのスポーツ選手としての活躍期間に焦点を当てます。
地方競馬での競技寿命:12歳
競走馬の場合、中央競馬(JRA)では約7歳まで、地方競馬では約12歳までが一般的な競走参加可能年齢です。
JRAでは速さを重視し、成績が振るわない馬は地方競馬へと移籍することが多いです。通常、競走馬は12歳までが競技としてのピークとされます。
これまでに馬の平均寿命について触れましたが、馬はおよそ30年の寿命があります。続いて、馬の長寿記録について、国内外の例を交えて解説します。
日本国内での馬の最高長寿記録
日本で最も長生きした馬は「シャルロット」という名の馬で、40歳まで生きました。
1979年5月14日生まれで、2019年8月3日に亡くなったシャルロットは、元々大井競馬場で競走しており、競走馬としては61戦2勝を挙げました。引退後に「シャルロット」と改名し、長野県の牧場で余生を送りました。
シャルロットの40歳という記録は、以前のG1勝馬であるシンザンの35歳の記録を更新したものです。
現在、シャルロットの記録を超える可能性があるとされるのは「ダイナセキト」という1984年生まれの馬で、確認された情報では38歳まで生きています。
日本の長寿競走馬:30歳を超えて生きた馬たち
日本で30歳以上生きた名馬たちにはいくつかの著名な例があります。以下にその一部を挙げます。
「30歳以上生きた名馬」
これらの馬たちは、日本国内だけでなく、オーストラリアのタンゴデュークのように、42歳まで生きた例も世界にはあります。
他にも、BNWのBとN、ビワハヤヒデとナリタタイシンは亡くなる2020年まで30歳で生きました。ウイニングチケットは2020年時点で34歳で、現在生存中のダービー馬の中で最も長生きしています。
ナイスネイチャはクラウドファンディングを通じて、引退後の馬のための資金を集め、後輩の面倒を見るなどして「馬の長寿業界のリーダー」としても名高いです。
「25歳以上の長生きした馬たち」
これらの記録を見ると、特に長距離を得意とした馬が長生きする傾向にあるようです。これは、長距離競走が体力の持続を要求するため、体力がある馬が長生きすることを示唆しているかもしれません。
ナイスネイチャ、35歳で逝去:心臓病に伴う老衰が死因
ナイスネイチャは2023年5月30日にこの世を去りました。彼の死因は老衰であり、体力の限界に達した結果、安楽死の選択がされました。31歳の時には既に心臓病と診断されており、その後も健康管理が行われていました。
安楽死については一般に否定的なイメージがありますが、ナイスネイチャは生涯を通じて適切なケアを受け、穏やかに最期を迎えました。
彼は生まれた牧場で最後の時間を過ごし、親友のメテオシャワーが側にいてくれたといいます。亡くなる前の日々は、終活に相当するような準備期間を経て、2023年5月31日には彼のための葬儀が執り行われました。
世界最長寿の馬は62歳!ギネス記録保持者
世界のギネス記録で登録されている最も長生きした馬は、オールドビリーという名のイギリスの競走馬で、驚異の62歳まで生きました。オールドビリー以外にも、シュガーパフが56歳、シェインとオーキッドがそれぞれ50歳で亡くなるなど、イギリスでは長寿の馬が複数記録されています。
馬の寿命は種類や血統によって大きく異なり、特にサラブレッドなどの競走馬は、一般的には30年程度の寿命が見込まれています。
日本における馬の繁殖の歴史は約100年と比較的新しく、猫や人間のように長い共生の歴史があるわけではないため、これからの研究や取り組みにより馬の寿命が伸びる可能性が期待されます。