「処暑」の意味とは?2024年の日付、食べ物、処暑の候の使い方

風習

季節を表現する言葉は、春夏秋冬以外にもたくさんあります。

例えば、春分、秋分、立春、立秋、夏至、冬至などは、誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。

では、「処暑」という言葉はご存じでしょうか?

もしかすると、初めて聞く方もいらっしゃるかもしれません。

「暑」という文字が含まれているため、夏に関係があると感じる方もいるでしょうが、「処」という漢字の意味はわかりにくいかもしれません。

実際、日本には春分や冬至のような有名な言葉以外にも、美しい季節を表す表現が豊富に存在しています。

そこで今回は、「処暑」について詳しく調べてみましょう。

 

 

「処暑」とは何か?

「処暑」は「夏が終わる時期」や「暑さが和らぐ頃」という意味であり、二十四節気では秋の一部を指します。

「しょしょ」と読み、二十四節気の第14番目です。

しかし、8月下旬の日本ではまだ暑さが続き、秋を感じにくいかもしれません。

これは、二十四節気が紀元前の中国で作られた暦であるため、中国の風土や気温を基にしており、昔の中国の気候と現在の日本の気候には大きな違いがあるからです。

ちなみに、秋の二十四節気は、立秋→処暑→白露→秋分→寒露→霜降の順で進み、処暑は秋の二番目にあたります。

また、二十四節気はさらに細分化され、七十二候というものがあります。各節気には3つの候があり、処暑の七十二候は「綿の柎開く」、「天地始めて粛さ」、「禾乃登る」です。

これらの意味は、「綿の実がはじけて白い綿が出始め、暑さが和らぎ、イネや麦などの穀物が収穫できるようになる」ということです。

この七十二候は日本向けに調整されており、それを見ることで季節の移り変わりをより感じやすくなります。

東京などの地域では、6月や7月よりも8月が暑くなることが多いため、8月に秋と言われても実感が湧かないかもしれません。

秋と言われても、8月では首をかしげる方が多いでしょう。

 

 

2024年の「処暑」はいつ?

2024年の「処暑」は8月22日(木)です。

時間で詳しく言えば、8月22日から9月6日までの期間が「処暑」となります。

この時期は、太陽が黄経150度から165度に位置する頃で、二十四節気の中で秋に分類される節気です。

「定気法」や「太陽黄経」という言葉が馴染みのない方もいるかもしれませんが、これは赤道を延長した天の赤道と、太陽の通り道である黄道が交わる点を始点(春分点)として、そこから24等分したものが節気とされることを意味します。

ちなみに、太陽の動きによって節気が決まるため、日本では国立天文台が毎年、日本の二十四節気を正式に発表しています。

 

処暑に旬を迎える食べ物

次に、8月下旬から9月にかけて旬を迎える食材を紹介します。

秋の味覚に近づく時期ですが、どんな食べ物が旬を迎えるのでしょうか。

**すだち**

すだちはお盆から10月までが旬の食材です。

 

**いちじく**

イチジクは7月から10月までが旬で、長い期間楽しめる果物です。

 

**ぶどう**

ブドウの旬は7月から9月ですが、小粒のものは7月から8月に、大粒の巨峰などは9月が旬です。

 

**さんま**

サンマは秋の代表的な味覚で、9月と10月が旬の時期です。

 

**なす**

なすは7月から9月が旬で、多くの料理に使われます。

 

処暑にまつわる季語

「処暑」は秋を象徴する二十四節気の一つです。

俳句では、荒井正隆氏の「ゑのぐ皿洗ひ重ねて雨の処暑」や、原裕氏の「みづうみに生れて彩なす処暑の雲」などが、「処暑」をテーマにした例として挙げられます。

 

 

「処暑の候」の使い方**

二十四節気は時候の挨拶としても使われるため、「処暑の候」も例外ではありません。

一般的な時候の挨拶と同様に用いることができますが、二十四節気は特定の期間に限られているため、その期間内でのみ使用できます。

 

「処暑の候」を使った例文

通常の時候の挨拶としてそのまま使用可能です。

例えば、「○○の候、貴社いよいよご繁栄のこととお慶び申し上げます」という定型文がそのまま使えます。

具体的には、「処暑の候、貴社いよいよご繁栄のこととお慶び申し上げます」という表現になります。

 

処暑に関連する風習

処暑の時期には、お盆が既に終わっているため、全国的なイベントや行事はあまりありません。

しかし、一部の地域では「地蔵盆」という伝統的な行事が行われており、それを楽しみに出かける人もいます。

地蔵盆は京都発祥とされ、毎年8月23日から24日にかけて開催されます。

この行事の主役は子供たちであり、町内の地蔵の前に露店が並び、花やお餅を供え、お菓子を食べたりゲームをしたりして楽しみます。

大きな数珠をみんなで回すという伝統もありますが、近年ではイベントを準備する大人の数が減少しているため、2日間開催されるところが1日になったり、開催されないこともあるようです。

 

処暑に開催される行事やイベントは?

処暑の時期に行われるイベントや行事について見ていきましょう。

夏休みが終わりに近づき、お盆が過ぎた頃に開催されるものを考えるとわかりやすいです。

大石不動院八朔祭

大石不動院八朔祭は、三重県松阪市で300年以上続く歴史ある祭りで、五穀豊穣や家庭の安全を祈る行事です。

縁日や花火など、多くの人が楽しめるイベントがたくさん開催されます。

 

扇町おもいで祭り

こちらは神奈川県の扇町で始まったばかりのイベントです。

 

地蔵盆

地蔵盆は京都発祥とされ、毎年8月23日から24日に行われますが、年々規模が縮小する傾向にあり、開催しない地域も出てくるかもしれません。

京都以外にも近畿地方や北陸地方、新潟でも行われており、多くの場所で開催されています。

なお、関東地方にはこの地蔵盆はなく、稲荷信仰が強いために普及しなかったという説もあります。

 

ひたちなか祭り

ひたちなか祭りは茨城県で行われるイベントです。

今年の詳細はこちらで、、、

 

処暑の時期に咲く花は?

処暑の頃に開花する花について見ていきましょう。

**なでしこ**

夏の花であるなでしこは6月と7月が最盛期ですが、8月から9月にかけても咲き続けます。

 

**ききょう**

桔梗も6月と7月がピークですが、秋の花でもあり9月まで開花しています。

 

**みずひき**

花弁のない独特な花で、8月から10月にかけて咲きます。

 

**ほうせんか**

ほうせんかは6月から9月が開花時期で、7月から8月が最盛期の花です。

 

処暑のまとめ

いかがでしたでしょうか?

暑さが続く中で、早く夏が終わればいいと思っていても、いざ暑さが和らぐと少し寂しい気持ちになるのは不思議ですね。

処暑を過ぎたら次は白露、そしてその次は立秋がやってきます。残り少ない夏を楽しく過ごしましょう。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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