最近はあまり耳にする機会がすくなくなりました、「初物七十五日」について探っていきたいと思います。
「初物七十五日」の意味について探る
読み方は「はつものしちじゅうごにち」です。
季節の初物を食べることで寿命を75日延ばすとされる言われていますが、その理由について説明しますね。
初物とは、その季節に初めて収穫される果物や野菜、または市場に出始める魚介類のことを指します。
これには新鮮な鰹や鮭、キノコ、茄子などが含まれ、「初物四天王」とも呼ばれます。
新鮮な初物には生命力が満ち溢れており、これらを食べることで新しい活力を得られると考えられています。
これが長寿につながるとされています。江戸時代以降、物流が発達すると共に、人々はこれらの初物を積極的に求めるようになりました。
「初物75日」の命の延長の由来は？
「75日命が延びる」という言い伝えの起源には、江戸時代の死刑囚にまつわる話があります。
当時、死刑囚には最後の願いとして好きな食べ物を何でも食べることが許されていました。
ある死刑囚が季節外れの食べ物を望んだため、それが見つかるまでの期間、彼の命が75日間延びることになりました。
この出来事が「初物を食べることで寿命が延びる」という俗信につながったとされています。ただし、本来は「初物を待った結果、命が延びた」というのが真相ですが、時間が経つにつれて「初物を食べると長生きできる」と広まっていったと言われています。
初物を楽しむ特別な方法「方角と笑顔」
初物を味わう際、「東を向いて笑って食べる」ことが幸運をもたらすとされています。
この習慣は、江戸時代の関西地方から始まったもので、関西の人々が東の江戸に先駆けて新鮮な食材を楽しむことを競った名残です。
また、東は新しい日の始まりを象徴する方向として、日々の恵みへの感謝の気持ちを表す意味合いも含まれています。
一方、東京やその東の地域では、「西を向いて笑って食べる」という習慣があります。
これは関東の人々が関西に対して同じように競っているという背景があるためです。西は伝統的に極楽浄土を象徴する方角とされ、そこにいるとされる阿弥陀様に感謝する意味も込められています。
現代日本では、四季折々の食材が一年中手に入るため、旬の食材を意識する機会が少なくなりましたが、店頭で「初物」「今が旬」と表示されている商品に注目すると、季節を感じることができます。
また、お仏壇がある家庭では、「初物はまず先祖に」という考えを持つ人も多いです。これは、先祖の恩恵に感謝し、彼らを敬う行為として行われます。
食べ物に恵まれた現代だからこそ、初物を味わう際には、日常生活で忘れがちな感謝の気持ちを再確認する良い機会となります。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
