「寒入り」は、冬の訪れを示す伝統的な言葉で、特に気象報告や季節の変わり目によく耳にします。
「寒入り」とは具体的にどのような意味を持つか掘り下げていきましょう。
寒入りの意味
寒入りは、年間の気候周期において、寒さが本格的に始まる時期を指します。
これは小寒という日から始まり、「寒明け」と呼ばれる立春に至るまでの期間です。
この時期には、寒中水泳や寒中禊などの行事が行われることもあり、これらは寒い時期に特有の伝統的な行動です。
寒中見舞いを送る習慣もあり、これは通常、新年の挨拶を遅れて行う形式で、小寒と大寒の間の期間に送られます。ただし、立春後に送る場合は「余寒見舞い」と呼ばれます。
寒入りの起源と文化的背景
寒入りの概念は、昔の人々が季節の変化に敏感であったことから生まれました。
特に農業を営む人々は、作物の育成と収穫の時期を正確に把握する必要があったため、中国から伝わった二十四節気を基に季節を判断していました。
二十四節気は、一年を24の期間に分け、それぞれが特定の気候変化を示します。
この中には、「小寒」と「大寒」も含まれており、これらは冬の厳しい寒さが訪れることを示す重要な節気です。そして、寒入りはこの小寒の日を指すことになります。
2025年の寒入りはどの日?
季節の変わり目を示す節気の一つに「小寒」という期間があります。
これは、冬から春にかけての間の一定期間を表し、「寒」として知られています。
2025年では、小寒は1月5日に始まり、立春の前日、すなわち2月2日まで続きます。
この期間の初日を「寒入り」と称し、2025年の寒入りは1月5日に設定されています。
また、立春が始まる2月3日をもって「寒の明け」と呼び、この日から新たな季節の始まりとされます。
寒入りと俳句の関連
「寒入り」は古くから日本の詩文、特に俳句において季語として用いられてきました。季節の節目としての役割は、文学においても重要な要素とされています。
ここで、寒入りをテーマにした俳句のいくつかを紹介します。これらは、季節感を反映した独特の情景を詠み込んでいます
1.暁の星の輝き寒に入る/高木晴子
2.雁金や友におくれて寒の入/風国
3.艶ふかき漆の花台寒の入/玉川悠
4.真向に火の島迫る寒の入/谷川典大
5.武蔵野の欅総立ち寒の入/椎橋清翠
6.浅草や鳩も雀も寒の入り/窪田桂堂
7.寒に入る蝸牛らも石の類/鷹羽狩行
8.橙の梢にのこり寒に入る/田中冬二
9.一離反一病一死寒の入/座光寺亭人
10.釜の湯気巴にまうて寒の入/原石鼎
11.奉る燭の穂固し寒に入る/毛塚静枝
12.膠煮て寒の入なる指物師/北野民夫
13.結願の灯明太く寒に入る/山口幸代
14.終着の駅閑散と寒の入/谷村喜美子
15.竹一本水に映りて寒に入る/桂信子
16.刈込に隠れし石も寒の入/大島民郎
17.黒松の幹の粗さや寒に入る/森澄雄
18.鎌倉に主ぶりなる寒の入り/石塚友二
19.隆起せる傷跡撫づる寒の入/高澤良一
20.高々と微塵の鳥や寒の入り/石田波郷
これらの俳句は、寒入りの情景や感情を巧みに表現し、読者に季節の変化を感じさせます。
寒中見舞いの時期と寒の入りについて
寒中見舞いは、喪中にある人々が年賀状を送れない代わりに選択する挨拶状であり、寒中の期間に送られるためこの名前がついています。
ただし、この挨拶状は寒の入りの日からではなく、特定の時期後に送ります。
寒中見舞いは、正月の松の内が明けた後に適切とされています。
一般的に松の内は1月7日に終わり、寒中である2月2日までの間に寒中見舞いを送ることが一般的です。
寒中期間を過ぎてから送る場合、それは余寒見舞いと称されます。
寒中水泳とその起源
寒中水泳もまた、「寒中」という言葉を使用しますが、この行事は寒の入りを過ぎた後に行われることからその名が付けられています。
寒中水泳の名前は、寒い時期に行われることに由来するとも考えられています。
寒稽古の意義
寒稽古は、厳しい寒さの中で行われる訓練です。
この訓練は、小寒や大寒といった寒の時期に行われ、寒さに打ち勝ちながら武道の精神性を高めることに重きを置いています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。2025年の寒入りは1月5日に設定されています。
寒の入りという節気は、寒中水泳や寒中見舞いなど、日常生活において重要な役割を果たしています。
カレンダーに記された多くの季節を表す言葉にはそれぞれ意味があり、知らず知らずのうちにその時期を過ごしていることが多いです。
寒の入りや他の節気について理解を深めることは、季節の変化をより豊かに感じる手助けとなるでしょう。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。