「雨水」とは、春を迎える合図のひとつとされる二十四節気の一つです。
旧暦時代、季節の変わり目を示すために用いられ、今のグレゴリオ暦ではその感覚が異なることもあります。
「雨水の日が来た」と聞いても、春が近いと感じる人は少ないかもしれません。
また、この時期に雛人形を飾る風習がある理由についても掘り下げてみます。
さらに、2025年の雨水がいつなのか、またその時期におすすめの食材や花についても紹介します。
「雨水」の意味とは？
「雨水」とは直訳すると雨の水を意味し、雪が雨に変わり、氷や雪が溶け始める時期を指します。
立春に続くこの節気は、春の訪れを象徴していますが、新暦ではまだ春を感じにくいことも。
旧暦においては「春」を象徴する時期であったため、現代とは季節感のズレが生じています。
旧暦と新暦の間には約1ヶ月から1ヶ月半のずれがあるため、実際の気候とは異なることが多いのです。
「雨水」の正しい読み方
「雨水」の正しい読み方は「うすい」です。
一般的に「あまみず」と読むこともありますが、二十四節気としての「雨水」は「うすい」と読むのが正式です。
これは基本的な漢字の読み方と異なるため、注意が必要です。
2025年における「雨水」の日付
2025年における「雨水」は2月18日（火曜日）と設定されています。
この日は毎年変動するため、一定ではありません。これは、太陽の黄道を24等分し、春分点から15度ごとに設定される二十四節気に基づいて決定されるためです。
節気は特定の日だけでなく、次の節気である「啓蟄」までの期間も指すことがあります。
この場合、雨水は2月18日から3月5日までとされます。
雨水と雛人形の関連性
雛人形を飾る習慣は、中国の五節句と日本の形代が融合した文化から来ています。
中国では、奇数日が重なる日は強い陰の日とされ、川で邪気を払う上巳節が行われていました。
この上巳節が日本に取り入れられ、3月3日のひな祭りとなりました。
また、日本独自の形代として、川に人形を流して災いを払う習慣がありました。
雨水の時期は雪が解け川の水量が増えるため、この時期に雛人形を飾ると縁起が良いとされ、良縁に恵まれるという言い伝えが生まれました。
多くの人はひな祭りの日付には気を使いますが、雨水の日に雛人形を飾ることもおすすめされています。
「雨水」期間の旬な食材
「雨水」は毎年2月中旬から3月上旬にかけての季節を指し、この時期には特定の野菜や果物が旬を迎えます。
たとえば、山菜の代表格であるふきのとうやたらの芽、うどがこの時期に最も美味しくなります。
ふきのとうは特に若い芽の時期に収穫すると、苦味が少なくて食べやすいです。
これらの山菜は天ぷらやおひたし、酢味噌和えなどの料理で楽しむことができます。
また、柔らかい春キャベツや2月が旬のいよかんもこの時期に楽しめます。
春の訪れと共に、ひな祭りに欠かせないはまぐりも2月から4月にかけてが旬で、特にこの時期のはまぐりは栄養が豊富で風味豊かです。
「雨水」に咲く季節の花たち
「雨水」の時期にはオオイヌフグリやアネモネといった花が目立ちます。
オオイヌフグリは青い花弁に紫の筋が特徴的で、愛らしさを感じさせる花言葉を持っています。
これは寒さから暖かさへと変わる春の訪れにぴったりの花です。
一方、アネモネは花弁の数が異なる種類があり、色もピンク、赤、青、白、紫と多岐にわたります。その色鮮やかさから、春の訪れを象徴する花としても人気があります。
「雨水」時期の伝統的な風習
「雨水」の時期にはひな祭りやお伊勢参りなどの伝統的な行事が行われます。
3月3日に行われるひな祭りは、この節気に必ず含まれ、次の節気である啓蟄は通常3月5日から6日にかけて始まります。
また、江戸時代から続く庶民の楽しみであるお伊勢参りは、特に春に行くことが好まれ、雨水の時期には多くの人々が伊勢神宮を訪れます。
伊勢でのグルメとしては、伊勢うどんや手こね寿司があり、訪れた多くの人々がこれらの味を楽しんでいました。
雨水の位置と二十四節気の構造
二十四節気は、季節の流れを表す古代の暦で、夏至と冬至（最も日が長い日と短い日）、春分と秋分（昼夜が等しい日）、および季節の始まりを告げる立春、立夏、立秋、立冬（四立）を基に、一年を24の期間に分けています。
雨水はこの中で春の序盤、立春に次ぐ二番目の節気に位置しています。
新年の開始ともされる立春が「暦の上の春」とされることが多いですが、新暦の2月中旬はまだ寒さが厳しいため、春の感覚はまだ遠いと感じられることもあります。
まとめ
「雨水」とは二十四節気の一つで、読みは「うすい」とされています。
この期間は、文字通り雪が雨に変わり、積もった雪や氷が溶け始める時期を意味しています。
しかし、旧暦と新暦の日付のズレがあるため、現代ではこの時期をまだ冬と感じる人も多いです。
それでも、この変化は徐々に春へと向かう兆しとされています。
雨水の時期には3月3日のひな祭りも含まれ、雛人形をこの日に飾ると吉とされています。
2025年の雨水は2月18日に設定されており、この日に雛人形を飾ることで良縁を願うのも一つの方法です。
