福禄寿は、七福神の一員でありながら、その役割や見た目について詳しく知らない人もいるかもしれません。
この記事では、福禄寿の背景や意義、彼が持つ特有の利益について詳しく述べていきます。
さらに、彼の見た目の特徴や識別方法、そして彼に関連する真言についても触れつつ、福禄寿を祭る神社もご紹介致しますので、七福神巡りに興味のある方は是非参考にしてくださいね。
福禄寿の由来と意味
福禄寿は、「人望と富貴栄進を司る」神で、その起源は中国の道教にあります。
道教では特に重要な存在で、三つの神聖な願い—幸福、富、長寿—を体現しています。
福は子孫繁栄、禄は財富、寿は健康と長命を意味します。
道教ではこれら三星、すなわち福星、禄星、寿星を一神として神格化しました。また、宋代の中国で仙人とされる存在や、南極星が化身したという伝説も存在します。
1063年、北宋の仁宗皇帝の時代に初めて登場したとされ、その後日本にも伝わりました。特に室町時代には、中国の文化や知識に憧れた日本の知識人たちによって広まりました。
しかし、福禄寿は寿老人と混同されることも多く、七福神の一部としては比較的マイナーな存在です。彼と寿老人の混同は今日でも見られ、彼らの区別がつかないことも少なくありません。
福禄寿の読み方とその変異
福禄寿の正しい読み方は「ふくろくじゅ」とされています。
一方で「ふくろくじん」と読むこともありますが、この表記は一般的ではないため、「ふくろくじゅ」と覚えることを推奨します。
語彙の登録状況はその言葉の知名度を示す指標の一つであり、七福神の一員としての福禄寿は広く知られているため、多くの辞書にその名が見られます。
福禄寿がもたらすご利益
七福神全体で「七難即滅」と「七福即生」の利益を提供しますが、福禄寿には特に「招徳人望」のご利益があるとされています。
さらに、財運や子孫繁栄、長寿や出世などの恩恵を与えるとも言われています。幸福と長寿の象徴として、これらの利益を求める人々には特に敬愛されています。
福禄寿と寿老人の違い
福禄寿と寿老人はどちらも南極老人星からの化身であり、過去にはしばしば混同されていました。
現在、七福神として両者は明確に区別されていますが、見分けるのが難しいと感じる人も多いです。
福禄寿は通常、杖に巻物を結びつけ、宝の寿を携えている姿で描かれ、寿老人は杖とともに団扇や桃を持ち、長いひげと大きな耳が特徴です。
それでも、両者の区別は困難なことがあり、外見の細部に注目する必要があります。
特に、福禄寿が鶴を従えることが多く、寿老人が鹿や瓢箪を持つといった特徴を確認することで、区別が可能になる場合があります。
帽子の有無も役立つ識別ポイントですが、これは絶対的な区別法ではありませんので、細部まで注意深く観察することが重要です。
福禄寿の見分け方、識別特徴について
福禄寿は大きな頭部、長く流れるあごひげ、そして顕著な大福耳を持つことで知られています。
しかし、これらの特徴は寿老人と共通しているため、両者を区別する際は注意が必要です。福禄寿は経巻を巻き付けた杖と宝珠を携える姿で描かれることが多いです。
この宝珠は仏教において願いを叶える重要なアイテムとされ、福禄寿が七福神の一員となる要因の一つです。
寿老人との差別化には、寿老人が瓢箪と鹿を連れていることを覚えておくと良いでしょう。
恵比寿は鯛と釣り竿、大黒天は大きな袋と打出の小槌、毘沙門天は武神としての鎧、弁財天は女性の姿、布袋は大きなお腹と袋と軍配で識別できます。
これらの特徴を理解することで、福禄寿や寿老人を他の神と区別することが容易になります。
福禄寿の真言
福禄寿の真言は「オン・マカシリ・ソワカ」です。
七福神それぞれに特定の真言があり、これらは信仰実践において重要な役割を果たします。大黒天、恵比寿、弁財天、毘沙門天、寿老人、福禄寿、布袋それぞれの真言も同様に覚えておくと、七福神巡りの際に役立ちます。
真言が難しいと感じる場合は、スマートフォンやiPhoneにメモして参拝前に確認すると良いでしょう。
福禄寿を祀る寺院
福禄寿を祀る代表的な寺院には、曹洞宗の万福寺があります。
長野県の秋葉神社も福禄寿を祀っていることで知られています。
また、宮崎県の智浄寺や延岡市の如意輪寺、佐賀県の天福寺、大分県の圓通寺なども福禄寿を祀っています。
東京では、墨田区の向島百花園や江東区の心行寺、中央区の小網神社、港区の天祖神社が該当します。これらの情報は「七福神巡り」や「七福神参り」のキーワードで検索すると、地域に合った寺院を見つけるのに役立ちます。
まとめ
本稿では、福禄寿の特徴、真言、祀られている寺院について詳述しました。
福禄寿はややマイナーな七福神の一柱ですが、彼の特徴や従えるものを覚えると役立つでしょう。
地域によっては福禄寿が含まれない七福神の構成もありますので、地域の文化を探求するのも楽しいですね。