お盆の季節によく見かける伝統行事の一つが「灯篭流し」です。
この記事では灯篭流しの背景、意義、そしてその実施時期について詳しく掘り下げ、さらにその作り方と最終的な流れについても解説します。
また、似たような行事である精霊流しとの違いにも触れていきます。
灯篭流しとその意義
灯篭流しはお盆に行われる送り火の一形態で、祖先の霊を慰めるための行事とされています。
特に、送り火は祖先の霊をこの世からあの世へ送るための重要な儀式であり、多くの家庭では8月16日に行われます。
元々は水害で亡くなった人々を弔うためのものでしたが、広島での原爆投下による犠牲者を追悼する意味も込められています。
また、この行事は古くから「三途の川を渡る」ことができれば霊が安らかにあの世へ旅立てるという信仰に基づいています。
送り火の種類
送り火には、大きく分けて「山の送り火」と「水の送り火」があります。
海や川で行われる灯篭流しは水の送り火に該当し、これが一般的に私たちが見る灯篭流しの形です。
一方、山の送り火として有名なのは「五山の送り火」で、京都市の如意ヶ嶽で行われるものが特に知られています。
この大文字焼きは、松明の炎で「大」の文字を描く壮大な行事で、京都では特に有名ですが、織田信長による比叡山の焼き討ちを連想させるため、「大文字焼き」という表現を避けることもあります。
2024年、いつ灯篭流しが行われるか?
灯篭流しは通常、お盆の終わりである8月16日に行われることが多いですが、地域によっては異なる時期に実施されることがあります。
例えば、広島では8月6日に原爆の犠牲者を追悼するために灯篭流しを行います。
また、古い暦を採用している地域では7月13日から15日にお盆を行うため、その期間に合わせて灯篭流しを実施することもあります。
それぞれの地域の伝統や文化に基づいて、開催時期が定められていますので、訪れる予定のある方は事前に確認が必要です。
灯篭の自作方法
YouTubeで「灯篭の作り方」で検索すると、手作りの灯篭を作る方法が紹介されていました。
ノリノリの和尚さんです。
夏休みの宿題のヒントになるかもしれません。
お子様とご先祖様のことをお話しするいい機会になるといいですね。
灯籠流しと精霊流しの違い
灯籠流しは主に個々の灯籠を川や海に流す行事ですが、九州地方の長崎県、熊本県、佐賀県などで行われる精霊流しでは、提灯や造花で飾られた精霊船を使用します。
この精霊船には故人の霊が乗せられるとされ、特に8月15日のイベントでは華やかなお祭りの雰囲気の中、爆竹が鳴らされるなどします。
精霊流しでは一般的に複数の霊が一つの船に乗せられる点が、灯籠流しと異なる大きな特徴です。
2024年の灯籠流しイベントの予定
2024年の具体的な灯篭流しの日程については、各地の伝統やカレンダーに依存します。
興味のある地域の観光協会や公式サイトで最新の情報を確認することをお勧めします。
以下は代表的な関東の灯篭流しの予定です(ほんの一部ですが、、、)。
下谷仏教会 流灯会(2024年7月17日)
皇居千鳥ヶ淵 灯ろう流し(2024年7月24日~25日)
隅田川とうろう流し(2024年8月10日)
小倉橋灯ろう流し(2024年8月16日)
古利根川流灯まつり(2024年8月3日~4日)
灯籠流し後の回収問題
灯籠流しは美しい伝統行事ですが、行事後の環境への影響が問題視されています。
特に川や海の汚染を避けるため、多くの主催者が灯篭を積極的に回収する措置を講じています。
環境保護の観点から、この行事に否定的な意見も存在し、それに応える形で回収活動が強化されています。
また、類似の精霊流しでは、使用後に精霊船を解体することが一般的になっており、大文字焼きでも伝統的な松明をLED照明に置き換える動きが見られます。
灯籠流しの英語表現
灯籠流しは英語で「Lantern floating」と表され、この表現はハワイなど英語圏でも用いられています。
特にハワイでは、アラモアナビーチでメモリアルデーに開催される灯籠流しは「Lantern floating」として知られ、多くの参加者にとって重要なイベントです。
まとめ
灯籠流しに関する概要を説明しました。
この行事は視覚的にも感動的ですが、行事終了後の環境対策が重要な焦点となっています。
現在では、灯籠の回収が標準的なプラクティスとなり、これにより主催者の環境に対する責任が増大しています。
行事の美しさと環境への配慮を両立させる努力が続いています。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。